大正13年生まれの父が他界して8年が経ちました。85歳の時でしたから今生きていれば93歳になります。父より一つ年下の母は父が他界して間もなく認知症になり。施設にお世話になって7年92歳になりました。さすがに最近すっかり弱ってきました。利用されている方が１４～15人と小ぢんまりとしたアットホームな雰囲気の中で過ごしているのですが、車椅子に座りじっと一点を見つめてぼーっとしている姿を見ると、これでいいんだろうかと心が痛みます。
私の知り合いの男性に半身不随になり認知症になった母親を最後まで献身的に介護した方がいます。その彼の姿を見ているだけに自分の不甲斐無さを痛感し、申し訳なく思うのです。その彼は年金を頂くようになった今でも独身です。一度も女性とお付き合いをしたことがないようです。そんな彼に幸せになってほしいと思い、なんとかしてあげたいのですが、なかなかうまく行きません。彼の母親への献身的な介護、それは愛に満ちたものでしたので、5年経った今でも昨日のことにように鮮明に覚えています。きっと天国に行かれたご両親が彼のことを見守ってくれ、彼は幸せな老後を送るのだと思います。私はそんな気がしています。
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